イデビアン・クルー新作ダンス公演『補欠』 世田谷パブリックシアター


ユーモラスというよりコミカルな振付。バラバラな群舞がいい。
一瞬自分でも踊れるんじゃないかと錯覚してしまいそうな動きが、見ていて、踊りたいってウズウズさせる。実は難しいのだが。
観る者を引き込む独特な振付は確かにいいけど、全体に漂う、笑わせようとする演出がことごとくはずしていて、もったいない。
終盤のコント的な演出は中途半端で、ないほうがいい。細部はおもしろいのに、どうもうまく笑いに結びついていないのが、残念。
そんなことしなくても十分におもしろいのに。
踊っているダンサー同士の微妙な関係をちょっとした仕草で表現したり、変な振付に目を奪われがちだけど、よく観ると細かい部分がとてもいい。
ただもう少し小さい劇場の方がよかっただろう。